『陽なたのアオシグレ』という映画を観たことはありますか?
鳥を飼っている人なら、心ときめくこと間違いなしの映画ですよ!
石田祐康監督の劇場デビュー作です。
どんなストーリー?
小学生の男の子ヒナタが、クラスメートの女の子シグレに密かに思いを寄せるものの、シャイで不器用なヒナタはシグレと上手く言葉を交わすことさえできず、その思いを打ち明けられないでいる。
そんなある日、シグレが転校することが決まり…。
鳥好きさんにオススメする理由
(以下、ネタバレあります)
実は、この映画には可愛い鳥が沢山登場するんです。
ヒロインのシグレが学校で小鳥の世話係をしていて、小鳥(でっかいセキセイインコ)とたわむれる様子を、ヒナタがポ―ッと憧れながら見つめるシーンが冒頭から出てきます。
シグレを想ってヒナタが頭の中で膨らませる空想の世界は、まさに鳥の楽園!
セキセイインコに加え、文鳥、オカメインコ、ベニコンゴウインコ、フラミンゴなど、色とりどりの鳥たちが、ヒナタの恋を祝福するかのように見守っています。
中でも、ひときわ大きな存在感を放っているのが、ハシビロコウ。
「オレが応援してるから、大丈夫!」(※このハシビロウコウが男子なのか女子なのかは不明)
とでも言いだしそうな頼もしい風貌が、たまらなくカッコイイのです。
人間をそっと見守り、応援してくれる鳥たち
鳥好きの身としては、物語の本筋以上に、鳥が登場するシーンや鳥の描かれ方に思わず目が行ってしまいます。
柔らかく繊細なタッチで描かれている鳥が本当に愛らしいですし、鳥とともに過ごす時間の優しさや温かさも伝わってくるんですよね。
この映画で鳥が登場するのは、あくまでほぼヒナタの空想の中なんですが、鳥が人間をそっと見守り、応援してくれる関係性がとてもリアルに感じられます。
鳥って、いつも飼い主の様子を気にかけてくれていて、言葉は通じなくとも心の深いところで絆を感じさせてくれるから。
私は特に、この場面で少し涙してしまいました。
ヒナタが絵を描いている手元に、一羽の白文鳥が飛んでくるシーンなんですが、昨年亡くなった白文鳥を思い出して「そうそう、あの子はこんな風に優しかった」と。
言葉にならない想いや、目には見えないけれども確かに存在する大切な何かを、濃やかに表現するのが得意な監督さんなんだな、という印象を抱きました。
疾走感あふれる飛翔シーンも見ごたえがありますよ。
詩情たっぷりな「陽なたのアオシグレ」、ぜひ観てみてください♪
監督・脚本:石田祐康
出演(声):伊波杏樹、早見沙織ほか
音楽:市川淳
主題歌:スピッツ「不思議」
制作:スタジオコロリド
公開:2013年
公式サイト http://www.shashinkan-aoshigure.com/aoshigure/