鳥との暮らし

ヨウムって、どんな鳥?

「ヨウムを飼ってます」と言うと、やはり珍しがられることが多いです。

鳥にそれほど興味がない人であれば、「何それ?どんな生き物なの?」とか、「オウム?」とか、質問されます。

鳥が好きな人だったら、「一緒に暮らすとどんな感じ?」「小鳥とはどう違う?」といったことをよく聞かれます。

そこで今日は、ヨウムの特徴についてお話したいと思います。

 

ヨウムの基本プロフィール

ヨウムはもともと、アフリカ中西部(コートジヴォアール、ケニア、タンザニアなど)に生息する大型インコ。

ヨウムの系統は「インコ科ヨウム属」。「オウム」ではなくて「インコ」グループに属する鳥なんだよ。

体長は約30cm、体重は約400gあります。

適切な飼育環境下では約40~50年生きる鳥なので、きちんと最後までお世話するのには大きな責任が伴いますが、じっくり長い時間をかけて絆を深めていくことができる魅力があります。

 

外見

African Gray Parrotという英語名のとおり、羽毛はほぼ全身グレーなのですが、唯一、尾羽だけは鮮やかな赤い色で、可愛いチャームポイントになっています。

ちなみに、目の周りが白っぽいのは、白い羽毛が生えているのではなく、地肌がむき出しになっています。

興奮した時などは、この部分の肌が紅潮するんですよ。

また、瞳が大きくなったり点のように小さくなったり、目の表情がくるくる変わります。

赤面する鳥」、「目が点になる鳥」って、なんだか面白いですよね。

 

性格

グレーのモノトーンというシックな容貌から、「クール」「シャープ」「カッコいい」といったイメージを持つ人もいるかもしれません。

ですが実際のヨウムは、2枚目というよりは、どちらかというと3枚目。

温厚で人懐こく、のんびりしていますし、ユーモラスな動き変顔で笑わせてくれることもあります。

また、とても繊細で感受性が強く、怖がりの部分も持っていますので、たっぷり愛情をかけて、心の健康にも十分に気を配ってあげなければなりません。

 

地声は野太い低音ですが、人間の声真似や、他の鳥の声真似などをしていることの方が多いので、もともとヨウム本来の声がどんなものだったのかを忘れてしまうほどです。

人間の声真似をするときは、元の人間の声と同じぐらいのボリュームで喋ります。

でも、他の鳥の声真似をするときは、それなりの騒がしさになります。

我が家のカノンの場合、文鳥のさえずりや、サザナミインコの呼び鳴きの真似をよくするのですが、元々の小鳥の声とは似ても似つかないほど大きな声を張り上げます。

ただ、オウムや他の大型インコのような雄叫びはしないので、大型の飼い鳥としては静かな方だろうと思います。

 

知能

ヨウムの知能は、人間の4歳児に相当するとも言われます。

よく知られる通り、ヨウムはお喋りの得意な子が多いです。

人間が喋る言葉を単純に真似するだけでなく、言葉の意味や、その言葉が使われる適切な文脈もある程度は理解しているらしく、状況にふさわしい言葉を使うことができます。

中には、言葉を使って人間と簡単な会話を成立させられる子もいます。

天才ヨウムとして有名なアレックスは、人間の言葉で数を数えたり、モノの形や色や素材の違いを識別して表現したりすることもできました。

 

クチバシの力

大きな黒いクチバシを日ごと夜ごとギョリギョリ研いでいます。

モノを齧るのが楽しい!という習性を持っていますので、家具をはじめ、部屋にある様々な物を齧って破壊します

叱ってもなかなか聞いてくれなくて困ってしまいますが、これは習性なので仕方ありませんね。

人間に噛みつくことは、よほどの理由がない限り、ありません

性格が穏やかですから、他の鳥を攻撃することも、ほぼありません

ただ、相手が小鳥の場合、ヨウム自身にとっては単なる遊びのコミュニケーションのつもりでも、クチバシで大怪我をさせてしまう危険性がありますので、一緒に放鳥するのは厳禁です。小鳥がヨウムのケージの上に乗るのもとても危険です。

 

人間との関係

ヨウムは、「こうしたい!」「こうしてほしい!」という自分の要求をはっきり伝えて来ます。それに、なかなかの頑固者でもあります。

たとえば、まだ遊んでいたいのに飼い主の肩から降ろされそうになると、「ふぇ~ん」と言って駄々をこねたり、必死に脚を踏ん張ってなかなか降りてくれなかったり。

また、飼い主が外出する気配を感じたら、握力の強い脚で飼い主の指をギュッとつかんで引き留める、なんてこともしてきます。

我が家でも、他の小鳥たちは、飼い主の言うことを比較的よく聞いてくれて、不満な表情を浮かべながらも、すんなり従ってくれる場合が多いのですが、ヨウムは粘れるところまで自分の意志を通そうとします。

ヨウムはある意味、人間の意のままには動いてくれないところがあるんですよね。

ヨウムとの関係は、「飼い主とペット」という単純な主従関係ではなく、相手の気持ちを尊重したり、時には要求をすり合わせたりする必要もある、人間の家族との関係に近いように感じています。

 

ヨウムについてもっと知りたい人のためのブックガイド

◎アイリーン・M・ペパーバーグ『アレックスと私』(幻冬舎)
◎ニッキー・ムスタキ『ザ・ヨウム~ヨウムとの楽しい暮らし方』(誠文堂新光社)